ネットショップの新規顧客獲得率360%を達成した時に行った9つの施策|福井 専門家派遣

ネットショップの新規顧客獲得率360%を達成した時に行った9つの施策|福井 専門家派遣LPOランディングページ最適化ブログ PROPO 中尾豊

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各都道府県でも実施されていますが、福井県でも専門家派遣という制度があり、公的機関や商工会議所に登録された各分野の専門家(経営、技術、情報化、デザインなど)が、依頼を受けて経営者の方の相談に乗ります。
※無料ではなく、一定の金額を専門家派遣を依頼した企業が負担します。
※依頼した企業が負担する金額は都道府県ごとに変わりますので最寄りの機関にお尋ねください。

僕は事務所を借りている施設のふくい産業支援センターで専門家として登録されているので、今回はふくい産業支援センターさんを通じてオファーをいただきました。
最大で10回の訪問アドバイスが可能で、同じ専門家派遣事業のミラサポよりは深く相談に乗ることができますね。
※ミラサポは無料です。僕も登録されています。ミラサポは全国対応やったかな?ただし最大3回までの訪問アドバイスのみ。
※っていうか、登録ページをよく見たら僕の名前が載っていない・・マジか・・。ショック・・・。ちゃんと登録されてますよ、ハイ。

今回依頼を受けたのが2016年の1月。

専門家派遣を依頼された方は独自ドメインでネットショップを運営されておりました。
いろんな勉強会やセミナーに参加しながら改善を繰り返され、地道にお客様を獲得されていましたが、さらなる売上向上を目指したいということで、今回専門家派遣制度を利用されました。

ということで、専門家派遣制度をご検討されている方に、この制度を利用するといいことがあるよ、ということをお伝えしていきますね。

専門家派遣制度を利用して達成したい目標

新規顧客獲得数を月平均5件のところ、月平均10件まで伸ばしたい。
要するに毎月必ず10件は新規顧客を獲得したい、ということでした。
(リピーターになる確率は高いので、新規をどれだけ獲得できるかがネットショップ全体の売上UPに大きく影響するそうです)

相談を受けてまず最初に行ったことはKGI、KPIの設定。
KGI、KPIとは?を参考にしてください。

KGIは今回ご相談をいただいたときに聞いておりますので(達成したい目標)、重要なのはKPIの設定です。
大きな目標を達成するためには実現可能な小さなKPIを設定し、達成、未達成の評価を繰り返しながら進めていくことが大事です。

充分協議をしたうえで、KPIを以下のように設定。

  1. CVRを0.3%〜0.4%アップさせる
  2. 月間のアクセス数を2000〜3000増やす

お客様はアクセス増加の施策として、自社でリスティング広告を運用されていたそうですが、なかなか結果につながらず、広告費がかさんでいる状態でした。(後述のリスティング広告編で具体的な改善策を説明します)

売上UPを行うために必要な環境整備

改善活動を行っても、成果が出たかどうかを計測することができなければ意味がないので、環境整備をするためにも、Google AnalyticsのCV設定(eコマース設定)とGoogle Search Consoleの設定を行いました。

特に問題だったのがGoogle Search Consoleのサイトマップ。
サイトマップデータがしっかり送信できておらず、増加させていたブログ記事、ウェブページがほとんどインデックスされていませんでした。
※サイトマップ更新できていない画像
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インデックスされていなかった原因はWord Pressプラグインの「Google XML Sitemaps」のエラー。
ご相談された当時、サイトのリニューアルでWord Pressに変更したばかりだったそうですが、Google Search Consoleにサイトマップ登録する際に使われるプラグインがバージョンアップした際に、静的ファイル(/sitemap.xml)から動的ファイル(/index.php?xml_sitemap=params=)にしていなかったためにエラーが出ていたことが判明。

対応後、どんどんインデックスされ始めました。

インデックス増加

Google Analyticsのeコマース設定をしよう

ネットショップをされている方は必ず設定しましょう。購入したユーザーの導線や、動向などを分析し、改善活動に大きく貢献してくれます。
中村健太さんが書かれているこの記事はとてもわかりやすく書かれています。

ECサイトを作ったら設定したい。Google Analyticsコンバージョン設定 完全ガイド

自然検索からの流入を増やす!SEOのために行ったこと

予算的に広告からの流入ばかりに頼ることが難しかったので、必然的に自然検索結果からのアクセスを増やすことが求められました。
そのために行ったのがGoogle Search Console(グーグルサーチコンソール)を使ったキーワード分析です。

検索結果で上位表示をしているのにもかかわらず、クリックされていない(順位の割にクリックが少ない)キーワードは大きな機会損失です。
Google Search Consoleの検索アナリティクス機能を使いながら、クリック率が低いものを抽出し、タイトル、ディスクリプションを改善していきました。

Google Search Consoleの使い方はこちらの記事を参考にしてください。
Google Search Consoleを使ってできる簡単なnot providedの分析方法

その次に取り組んだのは、ブログをはじめとした独自コンテンツを増加させること。
ブログやウェブページの増加作業は、不定期ながらお客様がしっかりされていたので、更新、追加するペースはお任せしました。
ですが、自然検索からの流入を増やすためにはターゲットが検索しているキーワードをもとに記事を書いていくことが重要です。 アドバイスをもとに、忠実に実行していただきました。
※ブログ集客のコツについてはこちらの記事を参考にしてください。
毎日書かなくても大丈夫!たった25記事でも集客できるブログの作り方

さらに、せっかく良い記事やページを追加しても、閲覧する側にストレスを与えてはいけません。特にユーザーにストレスを与えやすいのがウェブサイトの表示速度です。

ウェブサイトの表示速度がどうなっているのかを調査したことはありますか?

実はGoogle Analyticsの機能にウェブサイトが表示される速度を調べる機能があるのです。
サイトの表示速度が上がる=SEOに大きく貢献するというわけではありませんが、ユーザーのことを考えれば速い方がいいに決まっています。(多少評価してくれると思いますが)
遅いウェブサイトはすぐに離脱されてしまいますからね。
アクセスが多く集まっているトップページが特に表示速度が遅かったので、改善しました。

※サイトの速度結果です。まだまだ改善余地はありますが、昨年と比較するとグーンと速くなっています。
Google Analytics ページの速度改善

最終的なSEOの成果は下記の通り。
購入につながりやすいキーワードも上位表示されたので、多くのアクセスを獲得できました。
※サポート開始のデータが閲覧できない期間だったので、直近の1ヶ月を比較。
※上位表示した画面(赤い矢印のキーワードが全て順位が上昇したものです)
Google Search Console 上位表示
これで広告に頼らなくても、必要なアクセスは獲得できました。

売上に一番貢献するユーザーを狙い撃て!リスティング広告改善内容

リスティング広告をお客様ご自身で運用されていましたが、前述の通り売上につながらず、広告費が大きな負担になっていました。
運用内容としては、検索連動型広告のみでしたので、まずは出稿キーワードの見直しと、広告文の修正を行いました。

拡張されすぎているキーワードは削除、もしくはキーワードマッチの変更を行い、除外キーワードを設定しながら無駄な広告費を減らしていきます。

さらに、改善の余地があったのは、クリック単価に大きく影響を及ぼす広告ランクの要因として重要な広告文のクリック率。
拡張テキスト広告を最大限に利用し、検索結果に表示できるテキスト量を増やしながら、他店との違い(差別化できる部分)を強調した広告文を作成した結果、クリック率が大きく上昇。
品質スコアの向上につながり、広告ランクも上昇し、結果的には平均クリック単価も下がりました。

拡張テキスト広告例です。従来のテキスト広告よりも圧倒的に増えた文字数により、クリック率が劇的に上がりますので設定しましょう。
※広告は例文です。実際に配信した広告文ではありません。
拡張テキスト広告 Google Adwords

Google Analyticsの分析から売上につながりやすいユーザーのみに広告配信

平均クリック単価が下がったとはいえ、広告予算を多く取れない以上、検索連動型広告だけでは効果的な運用はできません。
そこでGoogle Analyticsを活用して「売上に一番貢献しそうなユーザーは誰か?そのユーザーだけに広告を出せないか?」というユーザー分析を行い、効率的な運用を目指しました。

Google Analyticsを見ると、基本的にリピーター(2回以上訪れるユーザー)のCVRが高いことはわかりましたが、その中でも180秒以上滞在したユーザーが売上につながりやすいことが判明。

「180秒滞在しているにもかかわらず、CVしなかったユーザーを狙い撃ち」するために、Google Analyticsユーザーリストを活用し、リマーケティング広告を導入。

Google AnalyticsとGoogle Adwordsを連携させてユーザーリストを作り、リマーケティング広告を配信したところ、受注が増え、さらになんとCPA(1件あたりの顧客獲得コスト)が190円!これは正直びっくりしました。(ビュースルーコンバージョンを含めるとさらにCPAは激減します)
ここまで下がると限られた広告費用でも柔軟に運用できます。

Google Analyticsユーザーリスト

カゴ落ちを減らせば売上が必ず上がる!

売上を上げるための最優先課題は、カゴ落ちをどれだけ減らせるか?ということ。
商品詳細ページを見て、注文ボタンまで押したのに、カゴ(カート)から離脱されるというのはネットショップにおいて最大の機会損失です。(もちろんお問い合わせフォームの改善も重要ですよ)

セミナーでもよく「売上を上げるためにはまずここから手をつけてください。」と話をします。
記入項目が多かったり、必須かどうかわからなかったり、どのボタンをクリックすれば次へ進むかわからなかったり・・・・。
カート周りに存在するいろいろな要素がユーザーの「買う気」を削いでいきます。(いきなり会員登録を促すボタンとか・・)

今回の案件でもカゴ落ちをいかに防ぐか?を最優先課題として取り組んでいきました。
メインターゲットが55歳以上の男性がメインということでしたので、インターネットで買い物をすることに慣れていないかも?と想定。
実際に「カートシステムの使い方がよく分からない」と直接お店に電話連絡する方もいらっしゃるということでしたので、まずは「カートに入れる」というボタンを「買い物カゴに入れる」に変更。

カートに入れた後の離脱が多かったのも売上が伸び悩んでいる原因でした。
いかに次の画面に進んでもらうかが重要ですので、初めてのお客様にはとにかく次の画面へ進んでもらうために「次へ」のボタンの色を変え、大きく改善。
さらに「買い物を続ける」というボタンを目立ちにくいグレーの色に変え、ボタンを小さくし、
「まずは1回買ってもらうこと」を最優先にしました。

最後に、カートシステムに慣れていないターゲットのために、注文する際に分からなければいつでも電話連絡してもいいように、ページ内に案内文を挿入。
この後、電話問い合わせが増え、受注につながるケースが増えました。

カート改善

最終結果報告。新規顧客獲得率360%!売上昨年対比125%UP!

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専門家派遣制度を利用されたばかりの2016年1月と、11月のGoogle Analyticsデータを比較しました。 ウェブサイト月間平均のアクセス数が1,981から9,349に大きく伸びました。あらビックリ。

さらに自然検索結果からの流入だけでいうと、初月に比べて11月の伸長率はなんと496%!!

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ネットショップの新規顧客獲得率360%を達成した時に行った9つの施策のまとめ

  1. KGI, KPIの設定
  2. 環境整備(Google Analyticsのeコマース、Google Search Consoleサイトマップエラー解消)
  3. Google Search Consoleから機会損失の大きいキーワードを抽出し、タイトルとディスクリプションの改善
  4. 検索キーワードを意識した内容で独自コンテンツの追加
  5. ウェブサイトの表示速度改善
  6. リスティング広告出稿キーワードの見直しとキーワードマッチの変更
  7. 拡張テキスト広告を利用して広告文のクリック率を改善
  8. Google Analyticsから購入する確率の高いユーザーリストを作成し、リマーケティング広告配信
  9. カゴ落ちを減らすためにわかりやすいボタン、次への画面遷移を促す、わかりやすい指示

いかがだったでしょうか?

今回の成果の要因は、依頼をされた方がとにかく一生懸命な方で、毎月1回の訪問だったのですが、お願いした修正内容に対してすぐに取り組んでくれたのが何より大きかったかもしれません。

依頼していただいた方に喜んでもらえると、僕もすごく嬉しいですし、 専門家派遣制度のご利用を検討されている方にとって今回の話が参考になればと思って一生懸命ブログを書きました。

もしこの記事が参考になったと思っていただけたらシェアしてくれると嬉しいです!

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